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1.役者のライフマスクをアルジネイトと、石膏包帯を使って象ります。呼吸が出来るように鼻の穴だけは、塞がないで残します。印象材が固まって型が外せるまで約20分間ですが、ボールドキャップ(禿鬘)を装着したり準備を含めると、1時間弱かかります。
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2.ライフマスク(石膏製)。この上にベートーヴェンの顔を油粘土で彫塑して行くので、役者の顔にぴったり合う訳です。油粘土は少し硬めの物を使います。
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3.ライフマスクの上に油粘土で原型を作ります。後にこの原型がそのままアプライエンスのピースに置き換わるので、細心の注意をはらって彫塑します。ピースに厚みがあり過ぎると表情が出難くなるためなるべく薄く、なお且つベートーヴェンに見えるよう気をつけます。
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4.原型完成。写真では分かりませんが、毛穴のテクスチャーまで入っています。後にこれをピースごとに分割します。
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5.原型を分割してモールドをとります。ポジモールド(雄型)は特殊な石膏で、ネガモールド(雌型)はエポキシ樹脂で作ります。
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6.モールドにフォームレイテックスを注入。フォームレイテックスは4種類のケミカルを調合し、ミキサーで発泡させた後モールドに注ぎます。これを摂氏92度のオーブンで約3時間熱します。
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7.アプライエンスのピースとモールド。フォームレイテックスの調合は気温や湿度に左右されやすい上、バブルが入ったりして失敗率が高く難しいです。
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8.メイク。まず、下顎のピースを医療用接着剤で着けます。着ける順番はそのアプライエンスのデザインによって変わりますが、正しい位置に着けるよう注意します。フォームラバーピースは肌に直に触れるものなので、あらかじめ洗浄しておきます。
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9.メイク。鼻のピースを着けます。ピースのエッジ(端)は紙の様にとても薄くなっていて、段差が出来ずに滑らかに肌につながる様になっています。エッジは、縒れたり皺になり易いので、慎重に作業します。
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10.メイク。おでこのピースを着けます。ピースのエッジ同士は、互いに少しずつ重なり合う様になっています。
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11.メイク。頬のピースを着けます。おでこや、頬のように広いピースでも接着剤の塗り残しや気泡が入らないように注意して少しずつ貼って行きます。接着洩れがあると、表情が伝わらなかったり、部分的に浮いたりします。
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12.メイク。フォームレイテックス専用のペイントで色を付けます。もちろん肌にもOKです。普通のドーランでは、フォームレイテックスを侵してしまいます。色を着けたら、かつらを被せます。
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